改葬許可証の取り方と書き方|申請の流れ・必要書類・郵送手続きまで完全解説
墓じまいやお墓のお引越しに必須の「改葬許可証(かいそうきょかしょう)」。どこでもらうのか、受入証明書や埋葬証明書を集める順番、申請書の記入例(続柄・複数遺骨の書き方)、遠方役所から郵送で取り寄せる方法までステップ順にわかりやすく解説します。
見慣れない書類とお役所言葉の前に立ち止まってしまう方へ
「元気なうちに、遠方にある先祖のお骨を手元近くの霊園へ移したい」「実家の墓を仕舞って、樹木葬や納骨堂へ引っ越したい」——。
そう決意したとき、避けて通れない最初の大きな壁が「改葬許可証(かいそうきょかしょう)」という行政手続きです。
役所のホームページを開いてみても、「受入証明書」「埋葬証明書」「改葬許可申請書」といった似たような名前の書類がいくつも並び、
- 「いったいどれをどの順番で集めればいいのか?」
- 「現在住んでいる市役所に行くのか、それともお墓がある遠方の役場まで行かなければならないのか?」
- 「先祖の古いお骨が何体もある場合、用紙はどう書くのか?」 と、手続きの煩雑さに途方に暮れてしまう方は少なくありません。
改葬許可証は、法律(墓地、埋葬等に関する法律)に基づき、「遺骨を現在の場所から別の場所へ移動させるために必須となる公的許可証」です。これがなければ、石材店はお墓を開けてお骨を取り出すことができず、引越し先の霊園も納骨を受け入れてくれません。
この記事では、迷わず最短で改葬許可証を取得するための「黄金の4ステップ」から、申請書の具体的な書き方・記入例、遠方から郵送で取り寄せる実践マニュアルまで、徹底的にわかりやすく解説します。
改葬許可証とは?なぜ必要なのか
墓埋法第5条が定める「遺骨移動の通行手形」
私たちが普段暮らす中で意識することは滅多にありませんが、ご遺骨の埋葬や移動は国の法律(墓地、埋葬等に関する法律・通称『墓埋法』)によって厳格に管理されています。
墓地、埋葬等に関する法律 第5条
「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む)の許可を受けなければならない。」
許可なく勝手に遺骨を掘り起こして別の場所へ埋めたり移動させたりすると、刑法上の死体遺棄罪や墓埋法違反に問われる可能性があります。改葬許可証とは、いわば「遺骨の正式なお引越し許可証(通行手形)」です。
改葬許可証がないと起きる2つのトラブル
- 石材店が遺骨の取り出し(出骨作業)を拒否する
正規の石材店はコンプライアンスを徹底しているため、改葬許可証が現場に届いていない状態では墓石の解体工事や遺骨の取り出し作業を行いません。 - 新しい受入先(納骨堂や樹木葬)が納骨を拒否する
新しい霊園や納骨堂の管理者は、改葬許可証(原本)の提出を受けなければ遺骨を敷地内に納骨(収蔵)することが法律上禁じられています。
手数料(費用)の相場
改葬許可証の発行手数料は自治体によって定められていますが、「無料 〜 300円程度」が相場です(東京都区部や多くの市町村で1通300円程度、無料の自治体もあります)。
改葬許可証を取得する「黄金の4ステップ」
書類集めで混乱しないための鉄則は、「書類をもらう順番(流れ)」を正確に把握することです。
ステップ1:新しい供養先から「受入証明書」を取得する
お墓を引っ越すには、まず「次の引っ越し先」が決まっていなければ役所は許可を出せません。 新しく契約した霊園、寺院、納骨堂、樹木葬などの管理者から「受入証明書」(または「永代使用許可証」「墓地使用承諾書」のコピー)を発行してもらいます。
ステップ2:現在の墓地管理者から「埋葬証明書」をもらう
現在お墓がある菩提寺の住職や、霊園の管理事務所に依頼し、「確かにこの遺骨が埋葬されています」という証明(埋葬証明書・納骨証明書)をもらいます。 ※自治体によっては、「改葬許可申請書」の用紙の下部に「墓地管理者の証明欄」が一体化して印刷されている場合が多く、その用紙を寺院に持参して署名・捺印をもらう形式が一般的です。
ステップ3:現在のお墓がある「市区町村役場」へ申請する
必要書類が揃ったら、「現在のお墓がある市区町村役場」の窓口(または郵送)へ申請書を提出します。 ※自分が住んでいる市役所や、新しく引っ越す先の市役所ではない点にくれぐれもご注意ください。
ステップ4:改葬許可証が交付される
書類に不備がなければ、役所から「改葬許可証」が交付されます。
- 窓口申請の場合:書類審査の後、即日〜数日で交付。
- 郵送申請の場合:役所に到着後、約1週間前後で自宅に返送。
この許可証の原本を、工事当日に石材店に見せ、最終的に引越し先の新しい霊園へ提出します。
改葬許可申請書の正しい書き方と記入例
自治体によって多少フォーマットは異なりますが、記入する項目は全国共通です。つまずきやすいポイントを整理しました。
| 申請書の記入項目 | 記入内容と注意点 |
|---|---|
| 申請者の住所・氏名・連絡先 | 実際に手続きを行う人(墓地の名義人・祭祀承継者)の情報を記入 |
| 死亡者(改葬される方)の氏名 | お墓に入っている方の本名(俗名)を記入 |
| 本籍・最後の住所 | 故人の最後の本籍地と住所を記入(不明な場合は除籍謄本で確認) |
| 死亡年月日 | 亡くなった年月日を記入(元号または西暦) |
| 埋葬(火葬)の場所・年月日 | 火葬が行われた斎場や火葬日(不明な場合は「不詳」と記載可能な場合あり) |
| 申請者との続柄 | 申請者から見た故人の続柄(「父」「母」「祖父」など) |
| 改葬の理由 | 「墓地遠隔のため」「承継者不在のため手元近くの霊園へ移転」など簡潔に記入 |
| 改葬先の名称・所在地 | 新しい霊園・納骨堂・樹木葬の正式名称と所在地を記入 |
つまずきやすい注意点①:「申請者との続柄」
続柄は、「申請者(あなた)から見て、故人が誰に当たるか」を書きます。自分のお父さんであれば「父」、配偶者であれば「夫」または「妻」、先祖代々の場合は「祖父」「曽祖父」となります。
つまずきやすい注意点②:遺骨が複数(何柱もある)場合
先祖代々のお墓を墓じまいする場合、骨壷が5個、8個と複数入っていることが珍しくありません。
- 1体ごとに1枚書く自治体:申請書を人数分コピーしてそれぞれ記入します。
- 別紙目録(改葬者一覧)を使う自治体:申請書は1枚(代表者分)で、2体目以降は「別紙改葬者目録」に一覧で氏名や死亡日を記入します。 何体分の申請が必要になるかは、あらかじめお寺の過去帳や石材店にカロート(納骨室)を開けて確認してもらうのが確実です。
遠方の実家に行けない!郵送で取得する完全マニュアル
「実家のお墓が新幹線で何時間もかかる地方にあり、役所の窓口まで行く時間がない」という場合でも、安心してください。改葬許可証は日本全国ほぼすべての自治体で郵送による申請・交付が可能です。
郵送申請に必要な「5点セット」
封筒に以下の書類を同封して、現在のお墓を管轄する役所の担当課(戸籍住民課や市民課、環境課など)へ郵送します。
- 改葬許可申請書(自治体HPからダウンロード・印刷し、必要事項を記入。寺院の埋葬証明印を押印済みのもの)
- 受入証明書(新しい霊園・納骨堂の契約書または証明書のコピー)
- 申請者の本人確認書類の写し(運転免許証、マイナンバーカードの表面などのコピー)
- 手数料分の「定額小為替(ていがくこがわせ)」(郵便局の窓口で購入。通常1通につき200円〜300円分。指定受取人欄には何も書かずに同封)
- 返信用封筒(申請者の住所・氏名を記載し、所定の郵便切手を貼付したもの。簡易書留やレターパックが追跡できて安心です)
※墓地の名義人と申請者が異なる場合は、名義人からの「改葬承諾書(承諾印)」が別途必要になることがあります。
よくある質問(Q&A)
Q1: 海洋散骨や手元供養(自宅保管)にする場合も改葬許可証は必要ですか?
自治体によって見解が分かれるポイントですが、国の公式見解(厚生労働省)では、「自宅に持ち帰る手元供養」や「散骨」は墓埋法上の『別の墓地等への埋葬・収蔵』に当たらないため、原則として改葬許可証の交付対象外とされています。
ただし、現場の石材店がお骨を取り出す証明として書類を求める場合があるため、多くの自治体では「手元供養(散骨)申出書」を提出させるか、便宜上「改葬先:自宅(または海洋散骨)」として改葬許可証を発行してくれる運用を行っています。事前に自治体窓口へ確認しましょう。
Q2: 古い先祖で、死亡日や火葬場所がどうしても分からない場合は?
明治・大正時代のご先祖様など、除籍謄本を調べても火葬日や死亡年月日が「不詳」となっているケースは多々あります。その場合は、空欄のままにするのではなく、役所の窓口に事情を話し、備考欄に「古いため不詳」「過去帳にて確認不能」と記載して申し立てることで、ほとんどの自治体で柔軟に受理してもらえます。
Q3: 改葬許可証は即日発行してもらえますか?
本人が直接役所の窓口へ出向き、添付書類(受入証明書・寺院の捺印済み埋葬証明書)に不備がなければ、その場で即日(30分〜1時間程度)発行してくれる自治体が多いです。ただし、遺骨が多数ある場合や、担当部署の確認を要する場合は後日郵送となる自治体もあるため、遠方から窓口に行く際は事前に電話で「当日その場で受け取れるか」を確認しておくのが無難です。
まとめ:一つずつ順を追えば決して難しくない
改葬許可証の申請は、普段目にしない公的書類が重なるため、最初は誰しも敷居が高く感じられます。しかし、実態は「新しい場所を決める → 今のお寺に判をもらう → 役所に郵送する」というシンプルな3つのステップに過ぎません。
焦る必要はありません。まずは引越し先の霊園や納骨堂をじっくり選び、一歩ずつ着実に進めていきましょう。
よくある質問(FAQ)
改葬許可証(かいそうきょかしょう)はどこでもらう書類ですか?
「現在お墓や納骨堂がある自治体(市区町村役場)」の市民課・戸籍住民課・環境衛生課などで発行してもらいます。新しく引越し先の自治体や、現在住んでいる自治体ではない点に注意が必要です。
改葬許可証の発行費用(手数料)はいくらですか?
自治体によって異なりますが、無料〜数百円程度(1通あたり200円〜300円程度)です。郵送申請の場合は、郵便局で購入する「定額小為替」で支払います。
遠方の実家にあるお墓の場合、役所の窓口に行かずに郵送で取れますか?
全国ほぼすべての市区町村で郵送申請が可能です。申請書、必要書類(受入証明書、埋葬証明書、本人確認書類の写し)、返信用封筒(切手貼付)、手数料分の定額小為替を同封して郵送すれば、通常1〜2週間程度で自宅に返送されます。
先祖代々の遺骨が複数(何体も)ある場合、申請書はどう書けばいいですか?
申請書1枚につき1名分の記入が基本ですが、多くの自治体では「別紙(改葬者目録・別紙様式)」が用意されており、2体目以降の名前・死亡年月日・火葬場所を一覧表でまとめて申請できます。火葬日や本籍が不明な場合は、戸籍謄本(除籍謄本)を取り寄せて確認するか、役所窓口に相談して「不詳」として申請します。
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